思い違い 2017 5 7

書名 誰が世界戦争を始めるのか
著者 日高 義樹  徳間書店

 北朝鮮の核開発問題が、10年経っても、
20年経っても、全く解決しないのは、
関係各国が、北朝鮮に対して、思い違いをしているからです。
 アメリカは、北朝鮮問題に関して、
この20年間、「話し合いをしましょう」と言っていましたが、
20年間話し合った結果、
北朝鮮は、核兵器保有国となりました。
 さて、この本から引用しましょう。
著者は、こう書いています。
 北朝鮮は、建国以来、
北朝鮮こそ朝鮮半島唯一の正当な国家であると主張している。
韓国は、アメリカ軍が便宜的に作り上げた傀儡政権であるとして認めていないのだ。
 アメリカが北朝鮮と話し合い、核兵器の開発をやめさせるためには、
北朝鮮と対立している韓国をなくしてしまう話し合いまでしなければならないだろう。
 つまり、北朝鮮の核開発を阻止する話し合いというのは、
現実として、あり得ないことである。
(中略)
 北朝鮮という国が、
経済的には危機状態にありながら核戦力を強化しているのは、
朝鮮半島における唯一の正当な国家としての立場を獲得するためである。
 つまり、北朝鮮は、韓国を滅ぼして、
朝鮮半島における唯一の国家になるために核戦力を強化している。
(引用、以上)
 北朝鮮は、核兵器によって、
朝鮮半島統一を目指しているのです。
 アメリカは、ここを勘違いしているから、
20年間話し合っても、成果を得るどころか、
核兵器保有国となった北朝鮮の出現となったのです。
 「話し合いをしましょう」という姿勢は正しいのですが、
その話し合いのテーマに、
北朝鮮による朝鮮半島統一を入れないと、
不毛な話し合いになってしまいます。

非対称の時代 2013 1 14

 私が発展途上国の軍事指導者だったら、こう考えます。
「残念ながら、わが国では、工業力の塊である戦車を作ることはできない。
 戦闘機だって同じである。
機体を真似て作ることはできても、高性能なジェットエンジンは作れない。
 艦船も同じだ。
外見を真似て作ることはできても、高出力のエンジンは作れない。
 さあ、どうするか。
もはや、わが国は先進国に勝てないのか。
 ちょっと待て。
安価な対戦車ミサイルで、高価な戦車を撃破できると聞いたことがある。
 そうだ。
わが国でも、ミサイルならば開発できる。
対戦車ミサイルどころか対艦ミサイルや対空ミサイル、
いや弾道ミサイルだって作れる。
 さすがに米国まで届く長距離ミサイルは技術的に難しいが、
近距離の弾道ミサイルだったら、100発でも200発でも作れる。
こうしたミサイルを大量生産できる」
 このように発展途上国の軍事指導者は、現実的に考えますが、
先進国の軍事指導者は、相変わらず、
戦車対戦車、戦闘機対戦闘機、艦船対艦船の戦いを想定しています。
 実に、非対称の時代になったものです。
そう言えば、昔も似たようなことがありました。
 日本海軍は、戦艦対戦艦の戦いを夢見て、
世界最大の巨大戦艦「大和」を建造しましたが、
時代は、空母の時代、いや航空戦力の時代になっていました。
 国民からは、ミサイル時代になっても、
日本には、ミサイル防衛システムがあるから大丈夫だという安全神話が出てきそうです。
 しかし、ミサイル防衛システムというものは、
技術力の誇示には有効でも、実用性はありません。
理想的な条件が揃えば、ミサイル防衛システムは有効かもしれないというレベルです。
 では、対応策はないのか。
これは、何度も書いていますが、
相手国が弾道ミサイルを開発したら、自分の国も弾道ミサイルを開発することです。
 それができないならば、次善の策として、
巡航ミサイルを500発程度用意することです。
潜水艦発射型でも駆逐艦発射型でもいいでしょう。






















































































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